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通夜、葬儀、死亡届の提出、初七日・四十九日の法要、遺言書の確認・検認
被相続人が亡くなった時から相続が開始されます。まずは通夜、葬儀、死亡届の提出(7日以内に)などがあります。初七日と四十九日の法要、被相続人が遺言書を残しているかどうかの確認も行います。
遺言書が自筆証書遺言や秘密証書遺言である場合は、家庭裁判所での検認が必要になります。公正証書遺言以外の遺言書があった場合は、トラブルを避ける為に必ず家庭裁判所で検認後に開封してください。
自筆証書遺言とは
被相続人が自筆で書き押印をしている遺言書です。
被相続人1人で作成できる簡単な遺言書ですが、その遺言書が本物かどうかなどでトラブルの原因になりやすく、法的に有効でない形式や内容であったりする場合もあり、手軽な分問題発生が多い遺言書です。
代筆や印刷物は無効となるので被相続人が自筆で書く、押印をし作成日時を必ず記述する、財産の場所を分かりやすく書くなど、注意しながら作成する必要があります。
公正証書遺言とは
公証人が口述筆記で作成した遺言書です。
公正証書遺言は公証人役場の金庫に保管されているので、偽造や隠匿など自筆証書遺言で起こりやすいトラブルを防ぐことができます。また公正証書遺言には証人が2人必要となっています。
一般の方に証人になってもらうより、職務上の守秘義務を持ち外部に秘密を漏らさない、弁護士や司法書士に頼む方が安全で確実です。
秘密証書遺言とは
遺言の内容を秘密にしておきたい場合に作成する遺言書です。
公正証書遺言と同じように公証役場で作成しますが、密封し被相続人以外は内容が分からない状態で金庫に保管してもらいます。
被相続人の生前の遺産トラブルは防止できますが、遺言内容を公証人が確認していない為に、形式や内容に不備があると無効になってしまう危険性もあります。また秘密証書遺言にも証人が2人必要です。
相続の承認・放棄の選択と手続き、相続人の確認・確定、相続財産目録作成
3ヶ月以内に相続を単純承認するか限定承認するか、もしくは相続放棄するかを選択します。限定承認と相続放棄は、家庭裁判所への手続きが必要です。また3ヶ月以内に手続きを何も行わないと自動的に単純承認を選択したことになります。
法定相続人を確認・確定させる為に、戸籍の確認や相続関係図作成などを行っておきましょう。
相続人の確認・確定が済んだら、相続財産目録作成を行います。目録を作成する事で、被相続人にどの程度の遺産や債務があったかどうかを把握し、単純承認か限定承認か相続放棄するのかの判断材料とすることができます。目録には決まった書式などはありませんが、各自が分かりやすいようにまとめるよう気をつけましょう。
相続人が限定承認か相続放棄を選択し家庭裁判所への手続きが完了していたとしても、相続開始後に被相続人の財産を処分や隠匿または、消費などした場合は無効となり単純承認したものとみなされます。
単純承認とは
被相続人が残したものを全て無制限に相続することです。
財産だけでなく債務も引き継ぐので、多額の借金がある場合は単純承認した者が支払う事になります。
単純承認は相続人各人が単独で選択が可能になっています。
限定承認とは
被相続人の財産の範囲内のみで債務を相続する方法です。
多額の借金などがある場合でも相続人が支払う必要がなくなります。
単純承認とは違い相続人全員が限定承認をしなければ認められません。
相続放棄とは
遺産を差し引いても多額の借金などがある場合などに、はじめから相続人にはならなかった扱いになる相続放棄を行うことができます。
単純承認と同じく相続人各人が単独で選択が可能です。
相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し届ける必要があります。
また相続人ひとりが相続放棄を行うと、他の相続人への相続分に足され、債務がある場合は他の相続人の負担が増える事になります。
誰も債務を相続したくない場合は配偶者、子、直系尊属、兄弟姉妹が相続放棄の手続きを行う必要があります。
被相続人の子や兄弟姉妹が既に死亡している場合は、子や兄弟姉妹の子も相続人となりますので注意してください。
死亡した者の所得の確定申告(準確定申告)、遺産分割協議
被相続人に条件に当てはまる所得があった場合に限り、被相続人が亡くなった年の1月1日から死亡した日までの所得についての確定申告(準確定申告)を行わなければいけません。
準確定申告を行う必要がある条件は、譲渡・一時・雑所得があった。不動産収入があった。給与所得が2,000万円を超えていた。2ヵ所以上からの給与合計が20万円以上だった。個人事業主だった。などです。
また期間は決まっていませんが、基礎控除額以上の相続額になりそうな場合は、これくらいの時期には遺産分割協議を行い遺産分割を終わらせておく方が良いでしょう。
相続発生から10ヶ月以内に相続税の申告を行わなくてはならないので、遺産分割が済んでいない状態で遺産が相続人の共有財産のままだと、特例の適用などが受けられなくなってしまい、相続税を多く納税しなくてはならなくなります。
相続税の申告
基礎控除額を超える額を相続した場合は、相続税の申告を行う必要があります。
期限内に申告を済ませましょう。